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《基本情報》
原題: The Assignment
出演:ミシェル・ロドリゲス(殺し屋:フランク・キッチン役)、シガニー・ウィーバー(狂った女医:レイチェル・ジェーン役)、トニー・シャルーブ、ケイトリン・ジェラード
監督:ウォルター・ヒル
製作国:アメリカ 製作年:2016年 96分
あらすじ
裏社会にその名を轟かす凄腕の殺し屋がマフィアに襲われ、拉致される。目覚めると、男は性転換手術を施され、体を女に変えられていた。施術をしたのは精神に異常をきたした女医。一体なんのためにこんなことを―?女になった殺し屋は、女医を見つけ出し、制裁を加えるため、復讐を開始する。 引用元:「レディ・ガイ」公式サイト

絶対にそこらへんの男より強そうな腕。 出典: Amazon
すばり、シガニー・ウィーバー演じるマッドドクターの特殊メイクなんてなくても怖すぎる顔面と、主役のミシェル・ロドリゲスの見事な上腕二頭筋を鑑賞するための映画です!💪『LOST』や『ワイルド・スピード』など海外ドラマやアクション映画で見かけることが多いミシェル・ロドリゲスは、いつも態度の悪い女傭兵みたいな役をやってるイメージの女優さんですが、今回もまさにその通り。
2大強い女対決!💥を大いに期待して観たのですが…感想は以下から↓
男に負けない強い女になることと、女が「強い男化」することは違う…

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存在自体が怖いシガニー・ウィーバー vs 肉体派のミシェル・ロドリゲスという、おもしろすぎるキャスティング。しかも、男の殺し屋が敵に報復されて女に改造されるという斬新な設定!
ここまできたら、絶対B級映画のバカみたいな展開を期待すると思うんですが、
結論から言うと、なんというかこう、、
イマイチ弾けきれてない??
男が女になったら、好奇心で自分のおっぱいを揉んでみるとか、女性の化粧の複雑怪奇さに戸惑うとか、ギャグが入ってもよさそうだけど、そもそもミシェル・ロドリゲス本人が、普段からマッチョな男キャラなので、女体化したという設定の意味があんまりなくなっちゃってます。
それにせっかく肉体派なのだから、
ロドリゲスには、もっと格闘をやって欲しかった。
復讐していくシーンでは、ほとんど銃弾を淡々と打ち込んで一撃で仕留めていていくんですが、射撃だけなら細腕の美人女スパイでもできるし、
もっと何かが爆発して床にダイブするような地味に体をはったアクションとか、『キック・アス』のヒットガールみたいに「このオマ●コ野郎!」とか罵声を浴びせながら無双して欲しかった。
さらに欲しがると、復讐劇って最初に主人公が受けた仕打ちが酷ければ酷いほど、盛り上がるもんですが、この話、主人公が「今までたくさん殺してきて、この程度で済んだのはマシなほうだ」と、言っている通りなんですよね。
『キル・ビル』みたいに結婚式の最中に花婿を殺される、みたいな、女体化したあと集団暴行されるとか、何かあったほうが、さらにブチギレする展開になったかも。
(とまあ散々言ってしまったけど、そもそも全然おもしろくなければ最後まで見ないし、記事にもしないので、期待が大きすぎたぶん、もったいな~という不完全燃焼感が強かった、ということをご了承ください)
(シガニー・ウィーバーが精神科で拘束衣姿で登場したときは、これはレクター博士みたいに脱走するための前フリなんじゃないか!? というところまで想像が膨らみましたが、実際の終わり方も衝撃的で悪くなかったです)

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最後に、
シガニー・ウィーバー演じるジェーン医師は、つねにまわりの男性医師を圧倒する威圧感を放っていましたね。(本人曰く実力も凌駕)しかも、私服は男物のネクタイとスーツにオールバック、という姿でした。
男性社会で強い女を目指した究極の形がこの姿なのだとしたら、これはもう強い女というより、男以上に強い男になることを選んだ、という感じで、矛盾してますよね。
女性が自分の中にある女性性を否定するのは、自分で自分の性を貶めて、男尊女卑をしてしまっているようなものです。
男女平等という考えが当たり前になった今でも、男女の体の違いは変わらないし、ホルモンが脳みそに与える影響のせいで、男性の考えやすいことと女性の考えやすいことは違う傾向があります。
本当の意味での男女平等というのは、その違いを無視して同じ型にはめようとすることではなく、おたがいに違っている所を長所として尊重し合える世の中だ、と私は思います。
これ以上、ジェンダーのことを書くと歯切れが悪くなってきそうなので、今日はここまでっ!
【おまけ】
ウィキペデイアでミシェル・ロドリゲスを検索したら、とんでもない武勇伝が出てきました↓
“クラスメイトへの暴力事件やスピード違反、飲酒運転などのトラブルをたびたび起こしている。『LOST』の撮影で滞在していたハワイで飲酒運転と保護観察違反で逮捕され、ロサンゼルス郊外の刑務所に60日間の禁固刑が言い渡された。2006年6月から収監予定だったが、刑務所が人員オーバーだったため、同日中にわずか2時間で出所した。” 引用元:Wikipedia
彼女の本格的なハリウッドデビュー作は『ガール・ファイト』で、”350人の候補の中から主演に選ばれ、ボクシングに情熱を傾ける男勝りの主人公を演じて注目された”、とのこと。
女版『あしたのジョー』みたいですね。あのガラの悪さは、演技じゃなくて素だったのか…!!