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基本情報
原題:Bohemian Rhapsody
出演:ラミ・マレック、ルーシー・ボーイントン、グウィリム・リー、ベン・ハーディ、ジョセフ・マッゼロ
監督:ブライアン・シンガー
製作国:アメリカ 製作年:2018年 135分
複雑な生い立ちや、容姿へのコンプレックスを抱える孤独な若者だったフレディ。彼が出会ったのは、のちに生涯の”ファミリー”となり、音楽史にその名を残すことになるバンドのメンバーたちだった。
個性的なメンバーの革新的な挑戦によって、誰もが知る名曲が生み出されていく。そしてバンドは、ロックミュージックにオペラを導入した「ボヘミアン・ラプソディ」で、既成概念を覆すことに成功する!
数々のヒット曲を放ち、一躍世界的な大スターとなったクィーン。そしてフレディは、”史上最高のエンターテイナー”とまで称されるようになる。しかし成功の光に照らされる一方で、孤独の影が忍び寄っていた。
フレディがソロ活動を始め、崩壊寸前となったクィーン。そんな中、バンドは20世紀最大の音楽イベント”ライヴ・エイド”に出演する。永遠に語り継がれるラスト21分のパフォーマンスに秘められた真実とは…。 引用元:「ボヘミアン・ラプソディ」公式サイト

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45歳にしてこの世を去ったロックの神・フレディー・マーキュリーのライヴ・エイドのパフォーマンスが、完全再現されています!跳ねたり、首を振ったり、舌を出してみたり…、果てはピアノの上に置かれたコーラとビールのカップに至るまで、ものすごい細部までこだわり抜いて、まるで本物のライヴ・エイドを舞台裏から見ているかのよう!
さらには、フレディー・マーキュリーのステージ上でのかっこよさだけでなく、舞台にいない時の知られざる一面にも、激しく心を揺さぶられます。
主演のラミ・マレックはもちろん、他のメンバーの役者も容姿が似ていて、何の説明もなくても、初登場から誰が誰だかわかるのも最高です(^ ^)
細かなストーリーについては事実と異なる所もあるようですが、フレディの心境に沿って楽曲の変遷を追っていくと、もしかしたらこんな想いが隠されていたのか…と空想の膨らむ内容になっています。熱いドラマとともに流れる、伝説のバンドの爽快な28曲に、往年のファンも、最近知った人も、興奮すること間違いなし。映画館を出た後は、また新鮮な気持ちで、クィーンの音楽を聴きなおしたくなりますよ。

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拝啓、偉大なるパフォーマー、フレディ・マーキュリー様

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私がフレディさんを知ったのは、高校2年の夏の頃でした。70年代ロックマニアの彼氏の部屋で、今では絶滅した「レーザーディスク」を、ブックオフで発掘してきたプレーヤーに入れた途端、映し出されたそのお姿…
大画面いっぱいのマリオのようなおヒゲ! 白いズボンと、謎のスマイルマークのランニング。そして、なぜか脚のないマイクスタンドを、ブンブン振り回していましたね。
その人知を超えたスタイルを見た途端、私は──
大爆笑してしまいました。
あの時の衝撃は一生忘れないでしょう。レッド・ツェッペリンやディープ・パープルを見て、ロックンローラーといえば痩せてロン毛なイメージだった私には、超超想定外のスタイルだったのです。一生のうち小学生しか履かないような半ズボン姿で、少年のように目をキラキラさせながら、ベースを弾きまくっていたおじさん(ジョン・ディーコンさん)にも、大ウケしてしまいました。
しかし、その超人的な個性と、パワフルな歌いっぷり、キャッチーなメロディーに、私はすぐに食らいつきになりました。「ママ、たった今人を殺してしまった…」で始まる『ボヘミアン・ラプソディ』の歌詞と音楽の、強烈なこと!!
高校でもまだ中二病をこじらせていた私は、『キラー・クイーン』や『地獄へ道づれ』というタイトルだけでも、「すげえ!カッコイイ!」とシビれたものです。
横で彼氏が語っていたウンチクはほとんど忘れてしまいましたが、
「この人はバイセクシャルで、エイズで早死にしたんだよ」
と言ってたのは覚えています。ヤク中になったり、自殺したり、と穏やかでないのはロッカーの常です。私はその時、「ふーん、だからこんなヒゲなんだ。ファンがいっぱいで、男にも女にもモテたんだろうな」と思っただけでした。
あれから、十数年。クイーンが結成した1971年からだと、もう50年近い歳月が流れようとしています。
それでも、クイーンの曲は、本国から遠く離れた日本でも、いまだにドラマやCMで使われています。1991年にフレディー・マーキュリーが亡くなった後に生まれた世代ですら、クイーンの曲を耳にしたことがない人は、いないほどです。
いつの時代も、まったく古さを感じないその音楽は、いまだに世界中で新しいファンを増やし続けています。そして私自身もまた、歳を経るごとに、歌詞を読んで感じることが変わって、新鮮な気持ちで聴いています。
映画『ボヘミアン・ラブソティー』で、あなたが病魔に侵されながら、ステージに立とうとして、口にした言葉が深く心に刺さりました。
自分は、「パフォーマー」である、と。
アーティストではなく、ステージでファンたちに夢と勇気を与える「パフォーマーだ」と言い切ったのです。──自分自身は絶望的な病魔に侵されながら…。
それから、あなたが意外にも、寂しがりやで孤独だったことも知りました。
…映画には脚色があるので、どこまでが本当の言葉で、事実なのかわかりませんが…、
『Somebody to Love』のような曲は、「愛される以上に愛したい」という気持ちが心のどこかにある人でなければ、決して書けない歌詞だと思うのです。
そして、成功して大金持ちになっても、社会の片隅で歯を食いしばって生きているような人々の姿を歌い続けましたが、
もしそこに、本当にファンたちを鼓舞したいという愛がこもっていなかったら、あれほど多くの人があなたを愛し、「ウィ・ウィル・ロック・ユー」で手拍子をとり、謎の掛け声で交信しあったりしなかったんじゃないでしょうか。
私は初めてLive aidの映像を見た高校生のとき、やはり笑ってたような気がします。でも今度は笑いませんでした。現実も映画と同じように、自分が近いうちに死ぬことを、すでに知っていたのでしょうか? もしそうだとしたら、一体どんな想いで歌っていたのでしょう?
込み上げてくるもので胸が詰まる──そんな湿っぽいことを言いたくなるような場面ですが、あなたのパワフルなパフォーマンスに、そんな弱々しい言葉は似合わない!
フレディー・マーキュリーは大スターでも、そこに至るまでの道のりは決して平坦ではなかった。
期待とプレッシャー、ゲイであることへの差別、無責任な批評家からの非難、斬新すぎる音楽への無理解。
“屈辱を受けたこともある
顔に砂を蹴りかけられてな
だが乗り越えてきたんだ─『伝説のチャンピオン』歌詞”
今ではみんな、知っている。
”俺たちは王者なんだ、友よ
そして俺たちは戦い続けるだろう
最後まで
俺たちは王者なんだ
俺たちは王者なんだ
敗者のための時間はない
俺たちは王者なんだから
俺はお辞儀をして
幕引きとなった
お前たちは俺に名声と富をもたらした
そして全てがそれとともにあったんだ
お前たち全てに感謝しているよ
でもずっとバラ色のベッドはなかった
楽しいクルーズもなかった
俺はそれを試練だと思っていた
全ての人類の間での
そして俺は負けないだろうさ
俺たちは王者なんだ、友よ”
あなたは偉大なるパフォーマー。
クィーンであり、キング。
そして、伝説のチャンピオンです。
ライヴ・エイド 1985/07/13 (実際のライブ映像)
Somebody to Love(日本語字幕)
ボヘミアン・ラプソディ(日本語字幕)